個性派女優の岸田今日子さんがお亡くなりになったそうです。76歳。
岸田今日子さんというと、ムーミンの声を思い浮かべる人が多いんでしょうけど、Tom にとっては、ムーミンでも、イオナのナレーションでも、ドラマ『大奥』でも、保毛尾田保毛男のお姉さんでもなく、カンヌ映画祭審査員特別賞も受賞した映画『砂の女』ですよ。中学生のときに NHK で放映されていたのをたまたま観て、作品に衝撃を受け、難役を見事に演じている岸田今日子さんに感動したものでした(その頃は名前を知っている程度で、意識して観たことがなかったので)。
今でこそ文学を熱く語ることもありますが、当時の Tom は文学嫌いで、この映画がきっかけで原作者の安部公房の作品を読むようになって、学生時代にはかなり影響を受けましたし、ほかの文学作品も読むようになりました。もし『砂の女』で岸田今日子さんがあそこまで見事に演じてくれていなかったら、映画もつまらなく思えたかもしれないし、原作を読もうとも思わなかったでしょうし、その後も文学に触れることなく今の Tom とは違う人間になっていたかもしれません。それほど Tom の中では大切な女優さんでした。
かれこれ十数年前に、PARCO劇場(だったと思う)にお芝居を観に行って、最前列の席だったので1メートルくらいの距離でお姿を拝ませていただいたこともありますが、存在感のある素晴らしい女優さんがまた一人いなくなってしまいました。
映画『砂の女』の原作・脚本の安部公房も、監督の勅使河原宏も、音楽の武満徹も、主演の岡田英次もすでにこの世に亡く、これで Tom にとって重要な作品にメインで関わっていた人がすべていなくなってしまいました。寂しいものがありますが、DVD を観賞してご冥福をお祈りしたいと思います。
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